紅白で二重奏を
於 文化会館
花材 晒ほうき草・和紙
現代花家元講師 野畑光風
毎回テーマがあって、今回は記念すべき20回展であり最終回となった作品展です。
20年は長い年月でもあり、あっという間の日時のようでもありました。20年の成人式を迎えた回を祝って、晒ほうき草で一つは晒したままで、一つは洋種山ごぼうの汁で染めてみました。ほうき草数本をまとめて輪を作り、それを幾重にも巻き込んで細工用の竹ヒゴで留め、一つは素材のまま、一つは洋種山ごぼうの汁に漬けて染めましたが、これがなかなか厄介で、大きな漬け樽がないのでプラスチックの盥でくるくる廻しながら色をなじませました。一本ずつ素材のまま染めると、それぞれまばらな色になってしまうから輪にしたのですが、汁そのものがアク汁なので、時間をかけると黒ずみだして染め仕事が大変でした。和紙も一組を赤く染めて、白地の和紙と床に敷き合わせ、最終回を紅白の輪を二つ並べた二重の輪で、喜びを20年に引っ掛けました。
この20年があって、以後の作品展にも恵まれ、人間的にも仕事の上でも大きく成長させて頂けたと思います。