11月28日、日本経済研究センターと
米ブルッキングス研究所がこんなシンポジウムを開催しました。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2806N_Y2A121C1FF1000/

この中で、ブルッキングス研究所のソリース氏が

「TPPに日本が参加しなければ米国は大きなダメージを受け、
TPP全体の成功もおぼつかなくなる」と指摘し、

「日本の参加は、日米同盟にとって極めて重要だ」

と強調したのだそうです。

TPPに日本が参加しないと米国は大きなダメージって、
それって、米国企業が日本の市場を獲れなくなるってことでしょ。

だって、米国は輸出を拡大して自国の雇用を増やすと、
オバマ大統領は演説してましたから。

日本が入らないと「TPP全体の成功もおぼつかなくなる」って・・・。

やっぱり、TPPのターゲットは日本だったんですね。

「日本の参加は、日米同盟にとって極めて重要だ」って、
これって、安保を盾にした脅し?

こう言うと、「それは陰謀論だ」「TPPお化けだ」って
批判する識者ぶった連中がいるけれど、
もちろん陰謀でもお化けでも、ありません。

「陰謀」ってのは隠れてやるもんです。

「お化け」は夜に出るもんです。

ところが、オバマもブルッキングス研究所も、
日本市場を喰いたいって、白昼堂々、言っているんです。

このシンポジウムでは、元外務次官の谷内正太郎氏が

「アジアの成長の活力を取り込み、
アジア回帰を進めるオバマ政権の(日本への)関心を
確保するためにもTPPは必要だ」

と表明したのだそうです。

オバマ政権の日本への関心って、
もちろん輸出先として、ってことですよ。

さらに谷内氏は、

「TPP推進では、野田首相と
自民党の安倍晋三総裁もそう違いはない」

という認識を示したのだそうです。

そういえば、アメリカ様が
TPPを選挙の争点にするなって言ってましたね。

「野田首相も安倍総裁もTPP推進でそう違いがないので、
争点になってません。民主党が負けても、
TPP反対は民意ではありませんよね。そうですよね。」

ってことね。

ブルッキングス研究所と言えば、そのホームページに、
「貿易政策でどうやって日本を改革するか」
と題された論文があります。

英語なので読むのが面倒な方は、
とりあえず、著者名だけご確認下さい。

有名なあの官僚の方です。

http://www.brookings.edu/research/articles/2002/07/10japan-munakata

この方は、
「韓国の1997年金融危機後の抜本的経済改革の経験から、
日本は多くを学ぶことができる」
と述べています。

IMFの外圧による韓国の構造改革を、手本とすべきだというのですね。

では、外圧で改革された韓国は、どう変わったのか、
データで見てみましょう。

1.株式市場での外国人の比率:

1997年末 約15% → 2004年初め 40%超

2.絶対貧困層(所得が最低生計費よりも低い層):
1996年 3.1% → 2003年 10%超

3.実質可処分所得の増加率:

個人部門約6%、企業部門約4.8%(1990~97年)

個人部門約0.8%、企業部門約60%(2000~04年)

これが外圧による改革の実態です。

それなのに、谷内氏も、TPPは国内改革の機会だと言うのです。

http://www.nippon.com/ja/currents/d00009/

この中で、こんなことも書いています。

「東日本大震災では、世界約160カ国が
日本への支援を申し出てくれたが、これが何を意味するのかといえば、
戦後の日本が第2次世界大戦の痛手から国家を再建し、
かつ、国際社会に大きな貢献をしたことに対する
世界各国の感謝の気持ちの表れであっただろう。

(中略)世界各国は、日本が分岐点に立っていることを
認識しているゆえに、「日本がんばれ」と
言っているのではないかと思う。
こうした声援に応えるためにも、
日本は積極的にTPPに参加すべきである。」

各国の被災地への支援に応えるために、日本はTPPに参加すべきなんだって~。

この人、外務次官だったんだって~。

これで外務次官がつとまるなら、
俺、AKB48のセンターとれますね。

いや~、霞ヶ関の官僚って、優秀なんですね~。

日本の未来は明るいわ。

posted 11 years ago