DMC book

□VD
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半魔の身体と言うものは便利なもので、心臓に剣を突き刺しても死なないくらいには丈夫に出来ている。
痛いには痛いが傷はすぐ塞がるし病気だってすぐ治る。そもそも病気にかかるという事自体稀なのだが。しかしどうしたことか今自分は稀なものを見ているらしい。
ベッドに横たわって苦しげな表情を浮かべているバージルを見ながら、ダンテはため息をついた。



「まさかアンタが風邪ひくなんてな」



水とコップだけが乗ったお盆をサイドテーブルに置けば、うっすらとバージルの瞳が開く。いつもは涼しげに自分を見つめる目が熱を帯びているのが分かった。いったい誰から移されたのか、半魔の身体をこうも蝕める風邪などそうあるものでは無い。



「全く…おかげでこの様だ」



掠れた声から滲む不機嫌さに苦笑する。
人間なら即病院行き決定であろう体温でありながら毒つけるだけのだけの元気があるのは半魔だからか兄だからか。



「たまにはベッドでゴロゴロするのも悪くないだろ?」
「吐き気と頭痛と倦怠感さえ無ければ最高だったかもしれんがな」



そんだけ毒つけてりゃ大丈夫、と水の入ったグラスを見せればバージルがゆっくりと身体を起こす。グラスを手渡してベッドに腰かける。もうグラスを空にしたバージルの首もとに手の甲を当てるとやはり熱い。じとりと汗ばむ肌に何の気なしに指を滑らせれば、突き刺さる視線。



「そんな睨むなよ」
「くすぐったい、それに」



触りたくなるだろう
ダンテの手を取り、口づける。いやに気障だなとダンテが笑えば熱のせいだろうとバージルはダンテの手を離した。もそもそとまた横になったバージルをぽんぽんと撫で、立ち上がって受け取ったグラスを盆に置く。



「おやすみ」
「あぁ」
「離してくれないのか?」
「黙れ」



袖を掴むなんて可愛いものじゃなくがっちりと掴まれた手首と、こちらを睨むバージルを交互に見て楽しげに笑うと掴まれた手首から悲鳴が上がる。
素直に言えばいいものを、と言いながらそんな素直なバージルなんて気味悪いなと思い直してもう一度ベッドに座る。



「早く治してくれよ」
「…善処する」




移しても良いから治せ
(触れられた箇所が熱いだなんて)





ついったーでRTされたので「風邪を引いて弱ってるバージル」…こいつ弱ってやがらねぇ
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