【ソウル】(ダウ・ジョーンズ)韓国銀行(中央銀行)が27日発表した11月9日分の金融政策委員会(MPC)議
事録では、最近の世界各地における金融緩和策が将来的に日本円の価値を押し下げ、韓国の輸出企業と経済全体
にとって打撃となる公算が大きいとの見方が示された。
議事録によると、MPCメンバーの1人は「世界的な金融緩和で円のさらなる下落が見込まれる中での(ドルに対
する)韓国ウォンの急伸は、韓国の輸出企業と経済に大きな影響を与えるだろう。この点に一層の注意を払わな
ければならない」と述べた。発言者の名前は明らかにされていない。
7人で構成されるMPCのうち数人は、地合いがウォンの一段高に傾いているため、ウォンがドルに対して急伸す
る可能性があるとの見解に同意した。
別のMPCメンバーは「経常黒字の安定した流れと実効為替レートの水準を考慮すると、ウォンの上昇基調は自
然だ。とは言っても、過度で一方的なウォンの動きと、それが経済に与える悪影響に注意しなければならない」
と話した。
韓国の金融当局は27日、ウォン高を抑制するため、市中銀行の為替先渡し取引について持ち高の上限を引き下
げた。ウォン高は国内で重要度の高い輸出産業の痛手となり、相場の不安定化の原因となる資本の流入につなが
りかねない。
ウォンは過去6カ月間でドルに対して約9%上昇した。世界的に円安が進行しているため、円に対しては14%高
となっている。
韓国銀行のMPCは、7月と10月に0.25%ずつの利下げを決定したが、今月は主要政策金利を2.75%に据え置いた
。経済成長ついては前向きな見通しを明らかにし、今後数カ月にわたって均衡の取れたペースで金融緩和を追加
実施する可能性を示唆した。
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