『蜘蛛巣城』(Throne of Blood)('57)
出演∶三船敏郎、山田五十鈴、千秋実、志村喬、久保明、太刀川洋一、佐々木孝丸、清水元、高堂国典、上田吉二郎、三好栄子、浪花千栄子、富田仲次郎、藤木悠、堺左千夫、大友伸、土屋嘉男、稲葉義男、笈川武夫、谷晃、沢村いき雄、佐田豊、恩田清二郎、高木新平、増田正雄、浅野光雄、井上昭文、小池朝雄、加藤武
特別出演:木村功、宮口精二、中村伸郎
監督∶黒澤明
劇場やDVDで過去に何度も見た作品だが、今回はCRITERION版Blu-rayで見ました。(東宝版DVDは随分昔から持ってます) 非常に鮮明な映像で大満足でした。欠点を言えば(アメリカ製だから当たり前だが)、東宝版DVDのように日本語字幕がないこと……(笑)(だって日本語が聴き取りづらいったら……) 英語の字幕はもちろん付いていて、英語表現が興味深く楽しめますが……。やはり、'50年代前後の映画(とくに時代劇)には、日本語字幕があった方が親切でいいと思う。
'40年代〜'60年代の黒澤作品(すべて白黒作品)の多くは、学生時代に名画座などの小劇場で初めて見たが、とにかく音が悪くて何を言ってるのか聴き取りづらかった。たぶん録音状態も今より劣るし、今では使われないような言葉や言い回しも多い。黒澤作品(とくに時代劇)では、叫ぶ·怒鳴る·吐き捨てるようなセリフが多いせいかもしれない。(『七人の侍』を初めて見た時も、慣れるまで殆ど聴き取れませんでしたから…(笑))
映画ファンになる前から、黒澤監督の時代劇作品として有名なものは認識していた。『七人の侍』『羅生門』『用心棒』『赤ひげ』などだが、この『蜘蛛巣城』は知りませんでした。とにかく黒澤作品は何でも見てみようという気分で、名画座に掛かった機会に見に行ったのですが、強烈なインパクトを受けました。同じ戦国時代ものでも、『七人の侍』『隠し砦の三悪人』のような娯楽アクションに徹したものとはひと味もふた味も違う。
シェイクスピアの『マクベス』を翻案した作品とのことだが、あらすじは知っていた。(ロマン·ポランスキー監督の映画『マクベス』を見ていたので…) だから、ストーリー展開を楽しむというものではなかったが、"静"の部分では能楽を思わせるような芝居、"動"の部分では壮絶な"弓矢の嵐"など、原作にはない表現が新鮮だった。(原作では、マクベスは"女の股から生まれた者には殺されない"と魔物が予言する設定で、帝王切開で生まれた男に殺されるが、日本の戦国時代には帝王切開がなかったらしい(笑))
[物語] 戦国時代。蜘蛛巣城では、隣国の城主·乾と結託した北の館の主である重臣·藤巻が謀反を起こすが、二人の猛将·鷲津武時(三船)と三木義明(千秋)の活躍で鎮圧される。喜ぶ主君·都築国春(佐々木)に召された二人は城の前に広がる蜘蛛手の森で、物の怪の老婆(浪花)と出会う。老婆は、鷲津は北の館の主になり、やがて蜘蛛巣城の城主に、三木は一の砦の大将となり、彼の子はやがて蜘蛛巣城の城主になると予言する。二人は一笑に付すが、城に上がった二人はそれぞれ北の館の主と一の砦の大将に任ぜられる。
鷲津から話を聞いた妻·浅茅(山田)は、主君·国春にその予言を知られる前に、国春を亡き者にするべきと謀反をそそのかす。国春が隣国の乾を討つため、狩りに行くと見せかけて北の館に出張って来た夜、浅茅は見張りの兵たちを薬で眠らせ、鷲津が国春を殺す。主君殺しの濡れ衣を着せられた武将·小田倉則安(志村)と国春の嫡男·国丸(太刀川)は、他国ヘ逃亡する。
鷲津は、盟友·三木の推挙で蜘蛛巣城の城主となる。子がない鷲津は、物の怪の予言通り自分の後の城主は三木の嫡男·義照(久保)に譲る約束をする。だが、妻·浅茅は懐妊したことを夫に告げ、三木父子を宴に招いて謀殺する計画を持ちかける。鷲津は配下に暗殺を実行させるが、息子·義照は取り逃がしてしまい、その夜から三木の亡霊を見ては錯乱することになる。
やがて、隣国に落ちのびていた小田倉則安·都築国丸·三木義照らが、かねてから蜘蛛巣城を狙う乾の軍勢を従えて、攻め込んで来る。旗色が悪くなった鷲津は、一人で蜘蛛手の森に赴き物の怪婆に伺いを立てる。すると婆は「森が動いて攻め上らない限り、鷲津が殺されることはない」と……。意を強くした鷲津は配下に檄を飛ばし、戦闘を続行するが……!!
この映画、ゲスト出演の主演級俳優や、他の黒澤作品でもお馴染みの名脇役俳優が大勢出ているが、殆どが名前のない役だ。武将Aとか使者Bとか幻の武者Cとか郎党Dとか……(笑) それと、これは個人的な印象なんですが、黒澤映画においては、あまり女性キャラは重要な役ではないものが多いと思う。だが、本作のマクベス夫人いや鷲津夫人役の山田五十鈴は、数ある黒澤映画の中でも特異な存在感を放っている。城や砦のいかにも堅牢な大セットと言い、なんか"凄い映画オーラ"を纏ってると思う。
[余談] CRITERION版の特典映像では、ロンドン映画祭でのプレミア上映のために黒澤監督が訪英した時のことや、巨匠ジョン·フォードとの思いがけない出会いの話が語られます。
蜘蛛巣城[東宝DVD名作セレクション]
34パーセントの割引で¥1,818 -34% ¥1,818 税込
参考価格: ¥2,750 参考価格: ¥2,750¥2,750
他に注記がない場合、参考価格とは、製造業者、卸売業者、輸入代理店(「製造業者」)などの小売業者以外が設定した、商品のカタログなど印刷物で発表された、または製造業者が小売業者に提示する参考価格・推奨小売価格を意味します。ただし、Amazonが製造・販売するデバイスの参考価格については、他に注記が無い場合、個人のお客様向けに最近相当期間表示されていた価格を意味します(注記の内容を含む参考価格の詳細については、該当する商品詳細ページをご確認ください)。なお、割引率の表示は1%毎に行われており小数点以下は四捨五入しています。
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購入オプションとあわせ買い
フォーマット | DVD-Video |
コントリビュータ | 千秋実, 三船敏郎, 志村喬, 橋本忍, 菊島隆三, 山田五十鈴, ウィリアム・シェイクスピア, 黒澤明, 小国英雄 |
言語 | 日本語 |
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メーカーによる説明
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蜘蛛巣城[東宝DVD名作セレクション] | 蜘蛛巣城 [DVD] | 蜘蛛巣城 [Blu-ray] | |
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.4
382
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5つ星のうち4.4
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5つ星のうち4.4
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価格 | ¥1,818¥1,818 | ¥5,814¥5,814 | ¥4,326¥4,326 |
仕様 | DVD | DVD | Blu-ray |
発売日 | 2015/2/18 | 2002/11/21 | 2010/2/19 |
商品の説明
☆東宝DVD名作セレクション 第1弾☆
そなたはやがて城の主―
壮絶! 妖怪の予言に躍る戦国武将! !
【特典映像】
予告編
【キャスト】
三船敏郎/山田五十鈴/千秋実/志村喬/浪花千栄子/加藤武/藤木悠
【スタッフ】
監督:黒澤明 原作:シェイクスピア 脚本:小国英雄/橋本忍/菊島隆三/黒澤明
【仕様】
モノクロ/110分/スタンダード/音声1モノラル/字幕:日本語/1957年
※デザイン・仕様は変更になる可能性がございます。
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 100 g
- EAN : 4988104095824
- 監督 : 黒澤明
- メディア形式 : DVD-Video
- 発売日 : 2015/2/18
- 出演 : 三船敏郎, 山田五十鈴, 千秋実, 志村喬
- 販売元 : 東宝
- ASIN : B00R4LOXZQ
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 25,045位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 2,947位日本映画 (DVD)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2024年2月15日に日本でレビュー済み
マクベスは11世紀が舞台だが、それより少し時代が経った日本が舞台です。2度目に老女に会いに行った際に、昔の武士があらわれます。狩衣や直垂などをつけ、薙刀を持った平安時代の武士です。無骨な鎌倉武士に対比される平安時代の様式美があらわれます。時代考証にコストをかけている素晴らしい映画です。
2023年11月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦に明け暮れていた時代の悲劇と狂気を描いた傑作品と思いました!
2015年1月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何と言っても、この写真のラストシーンがすごい。シェークスピアのマクベスの邦画への翻案としては、これ以上のものは誰にも作れまい。ただ、いささか力みすぎて、各シーンに力が入りすぎて、見ていて息苦しさに閉口する。シェークスピア原作には、それを和らげるための工夫が随所にある。(例えば、ダンカンが殺された夜における門番道化の導入。)バンクォ(千秋実)の亡霊も、いささか情けなさ過ぎる姿。その他、いろいろ所感があり、数行では言い尽くせない。
2022年6月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この時代の黒澤作品!三船さん素晴らし過ぎですね!まぁ語る事は無いので他の方のレビューでどうぞ(笑)
2021年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
黒澤明監督の作品の中で、隠れた名作だと思いました。黒澤明監督と言えば、7人の侍や乱、羅生門、と浮かびがちで幻想にあふれたシーン、最終の矢の的になるシーンなど、見応えありました。しかし、台詞が難しくて、字幕を今後、付けて頂くとこの映画の素晴らしさが伝わっていくと思います。
2020年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三船敏郎さん、本当に怖かっただろうな。本物の矢を浴びせられて、もし目に当たれば失明モノ。怖い怖い。無茶したもんだと思う。
今ならパワハラにならんのかいな?
今ならパワハラにならんのかいな?
2024年2月26日に日本でレビュー済み
残念ながら音声が聞き取り難くて、ほとんど何を言っているのかわからない。
ただ、我慢して見ていると、画像だけでもストーリーは理解できた。字幕つけてください。★4つ。
しかし、改めて観ても三船敏郎は凄い存在感!あの眼力、馬を操りながらのセリフ回し。
部下を圧倒する威厳、オーラ。全く稀有な役者だと思う。黒澤明が多用したのもわかる。
対局の千秋実のよわ弱さ、は武者として少しバランスが悪かった。
今日、令和の役者で、それにあたる者は見当たらない。スーパースター不在の不遇の時代かもしれない。
ただ、我慢して見ていると、画像だけでもストーリーは理解できた。字幕つけてください。★4つ。
しかし、改めて観ても三船敏郎は凄い存在感!あの眼力、馬を操りながらのセリフ回し。
部下を圧倒する威厳、オーラ。全く稀有な役者だと思う。黒澤明が多用したのもわかる。
対局の千秋実のよわ弱さ、は武者として少しバランスが悪かった。
今日、令和の役者で、それにあたる者は見当たらない。スーパースター不在の不遇の時代かもしれない。
他の国からのトップレビュー

Movie Guy
5つ星のうち5.0
Alles bestens!
2023年11月14日にドイツでレビュー済みAmazonで購入
Alles bestens!

Patricia Shakespeare
5つ星のうち5.0
Awesome!
2014年4月22日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
Great classic movie re-mastered to perfection. This is the best interpretation of Macbeth..with Japanese flair added. If Akira Korasawa films are your thing get this!

Rassendyll
5つ星のうち5.0
Excelente
2015年10月11日にスペインでレビュー済みAmazonで購入
Una fantástica edición la lanzada por A contracorriente, con un magistral trabajo de restauración que ha conseguido una calidad de imagen acorde a lo que se merece esta grandiosa obra del cine japonés. La película es a mi juicio una de las cumbres de Akira Kurosawa. Una excepcional traslación de Shakespeare al mundo de los samuráis.
Hay que decir que la edición no tiene audio castellano. Hay que verla en japonés con subtítulos, que es como realmente creo que debe verse este tipo de películas. Sin ser un enemigo del doblaje, hay películas que soportan bastante mal esa práctica, y creo que el cine japonés es un claro ejemplo.
Además la presentación de la pelicula está muy conseguida, con esa chulísima cubierta de cartón sobre la caja del Blu-ray en tonos rojos y negros que dan uniformidad con respecto a otros títulos de Kurosawa también lanzados en ediciones similares.
Una edición que debería estar en la colección de todos los amantes de las películas japonesas.
Hay que decir que la edición no tiene audio castellano. Hay que verla en japonés con subtítulos, que es como realmente creo que debe verse este tipo de películas. Sin ser un enemigo del doblaje, hay películas que soportan bastante mal esa práctica, y creo que el cine japonés es un claro ejemplo.
Además la presentación de la pelicula está muy conseguida, con esa chulísima cubierta de cartón sobre la caja del Blu-ray en tonos rojos y negros que dan uniformidad con respecto a otros títulos de Kurosawa también lanzados en ediciones similares.
Una edición que debería estar en la colección de todos los amantes de las películas japonesas.

Gazi
5つ星のうち5.0
Le château de l'Araignée
2014年11月25日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
Ce chef-d'oeuvre d'Akira Kurosawa célèbre réalisateur de nombreux films qui font date dans l'histoire
du cinéma, en particulier du cinéma asiatique, est une adaptation de la célèbre pièce de Shakespeare,
MACBETH dans une version transposée à l'époque des Samourais ! Une magnifique réussite qui devrait
plaire à tous les puristes de ce genre de cinéma qui nous apporte la connaissance d'une civilisation du
XVIè siècle que nous ne devons pas ignorer ! Bref, une oeuvre majeure en noir et blanc, un style et des
cadrages particulièrement recherchés pour un film qui entre dans l'histoire cinématographique et que nous
devons préserver, car c'est un véritable document historique !
La restauration de ce film a été magnifiquement réalisée par l'éditeur qui ne ménage pas ses efforts !
du cinéma, en particulier du cinéma asiatique, est une adaptation de la célèbre pièce de Shakespeare,
MACBETH dans une version transposée à l'époque des Samourais ! Une magnifique réussite qui devrait
plaire à tous les puristes de ce genre de cinéma qui nous apporte la connaissance d'une civilisation du
XVIè siècle que nous ne devons pas ignorer ! Bref, une oeuvre majeure en noir et blanc, un style et des
cadrages particulièrement recherchés pour un film qui entre dans l'histoire cinématographique et que nous
devons préserver, car c'est un véritable document historique !
La restauration de ce film a été magnifiquement réalisée par l'éditeur qui ne ménage pas ses efforts !

st
5つ星のうち5.0
UN CULT
2014年7月6日にイタリアでレビュー済みAmazonで購入
Di tutte le trasposizioni del "MacBeth" di Shakespeare, probabilmente questa è la più memorabile, sia per il movimento inusitato che trasporta l'azione dalla Scozia dell'Alto Medioevo (ma il Bardo non eccelleva propriamente nella caratterizzazione storica, perciò ci sono varie intrusioni cinquecentesche) al Giappone dei samurai, che per l'alta espressività della recitazione e della regia di questa pellicola. Personalmente, lo preferisco alla versione economica di Welles (notoriamente a corto di fondi) e a quella, grottesca sino al parossismo, di Polanski (che la critica, non a caso, giudicò a suo tempo più una scusa per rivivere il trauma della strage di Manson che un adattamento sentito della tragedia). Ottima l'edizione della Criterion, sebbene abbia il piccolo difetto di avere solo tracce audio in giapponese e sottotitoli inglesi (un doppiaggio inglese, come in Rashomon, ne avrebbe, per alcuni, semplificato la fruizione).