私の悪い癖に言葉を省略してしまうということがある。人に作業を頼むときにも大体はワンフレーズだ。だからそんなワンフレーズを突いて検察庁には責められるし、マスコミには揚げ足を取られる。
日常作業でもそのような事は多い。なんで行間を読まない?と思ってしまうが、実際にそれは難しい事だ。書籍なども見出ししか見なかったり、あるいはマスコミ報道されている書籍の一部をとって揚げ足を取るようなことを真実だと思っている人がいる。

全てを丁寧に説明するのは骨が折れる。結構ストレスが溜まるし大変なことだ。揚げ足を取る検察やマスコミがいなければいいんだけど、そうはいかない。というわけで丁寧にこれからも出来るだけ説明していこうと思う。

さてtwitterでこんな記事が紹介され、反論してほしいといわれた。

ライヴドア事件でアニマルスピリッツは潰えたのか      ―中川信博

彼は、「さて堀江氏だが、著書を立ち読み程度、ブログをたまに読む程度で真っ当な評価ができるわけないことを前提として申し上げると」と但し書き(というか逃げ?)を書いているのでまだ良心的といえるが、そもそも人(の主張や人間性)を批判するのに著書を立ち読み程度でというのはどうかと思うんだが、まあ仕方ない。その程度の人なんだろう。

で、反論してみる。

「氏の主張は、
ビジネスの世界というものは、金銭的に成功しなければ意味がない。論理は勝者によってのみ創られる。お金の前に人々はひざまずくものだ。売り上げではない時価世界一を目指す。
ということに要約できると思う。」

とある。違う。
ビジネスの世界は金銭的に成功しなければ、意味がないというよりはそれは最低限の責務である。利益を上げられない企業は一人前の企業ではない。社会的付加価値を作り出し利益を上げて納税して初めて最低限の責務を果たしたといえよう。利益を上げない企業は継続性がない。いくら立派な理想を掲げようがその理想は果たせないだろう。そんな赤字まみれで倒産するような会社を沢山みてきたからそう思う。放漫経営じゃなくもっときちんとやれよと私は言いたかった。
あと、利益上げなくて寄付に頼るならそれはNPOなどの別の道がある。しかしそれは「ビジネス」ではない。

「論理は勝者によってのみ創られる」なんて私はどこでそんなことを言っただろうか?そんなことは思ったこともない。ただ大きな利益を上げていたほうが経営の自由度は高まるし、理想も実現しやすいのは間違いない。

「お金の前に人々はひざまずくものだ。」
そんなことも言った覚えは無い。

「売り上げではない時価世界一を目指す。」

は?私は営業利益世界一を目指すといっていた。そもそもこの人は売上と利益の区別すらついていない。売上を上げさえすれば自動的に利益がついていくわけでもない。売上の嵩だけを増やしたところで意味はない。だから営業利益世界一を目指すといっていた。

そしたら記者がどうしても私に時価総額世界一といわせたかったらしく、「営業利益世界一ということは時価総額も世界一になりますよね?」という趣旨のことを言った。だから私は「そうなるかもしれませんね」といったことはある。

あとは隠し撮りされたライブドアの2005年度の忘年会の席でクローズドな席の盛り上げ用にそのような趣旨のことを言ったことがある。でもそれは半分パロディーのような話だ。それを隠し撮りして放送するなどマスコミは言語道断だなと思ったが、今更ながらあれはどうかとおもうのでBPOにでも告発してみようか。

あと村上さんと私を同じ土俵で語っているが、私はプログラマーであり「とくにライブドア事件はインターネットという情報時代のハッカーリズム資本主義の産物を工業化時代のプロテスタンティズム資本主義の倫理で扱おうとしたことによるハッカーリズムの反発ではないだろうか。」なんていっているが、全然的外れの結論だ。私としては日本のオープンソース、とりわけウェブアプリケーションの構築で使われているPerlのコミュニティを初めとしたいくつかの分野で大きな貢献をしてきたと自負している。

おそらく著者はマスコミに踊らされている。私の株主に対する責務として発言した部分だけを極大化して取り上げている。私はITハッキングをしながら、プロ野球・マスメディア・政治の世界でそれがソーシャルハッキングに発展する可能性を体験してきた。

事実全てのソーシャルハッキングの試みは利益の最大化が最大の目的ではない。社会を変革して新しいオープンな世界にすることが目的だったのだ。ただし、それを支える原動力は多くのライブドア株主の投資であり、彼らに利益を還元することで再投資を促しさらに大きなソーシャルハッキングができるようになるから彼らには頑張って利益を還元しないといけない。利益を上げることは目標を達成するためのツールに過ぎないが、非常に大事なことであることも間違いない。

とややこしいことを語ったところで会社は回っていかないし、現実は大変なのよ。と評論家気取りのこの記事の作者にちょっと反論してみる。言うのは楽だよな。

私の本も評論するなら一冊くらい、よんでみてよ。

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