ringoのつぶやき

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DJ-ブレグジット決定後の英経済、本当にリセッション入りはないのか

2016年08月25日 14時36分04秒 | 社会経済

 

 英国の欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票から2カ月がたち、離脱派も残留派も投票結果が英経
済に与える当面の影響について自分たちが正しかったと主張している。

 残留派は、企業の信頼感が落ち込み、7月の景況調査は低調だったことを指摘している。独立系シンクタンク
の英国経済社会研究所(NIESR)は、4-6月期に成長率は半減し、7月はおそらくマイナス成長になったと述べた

 離脱派は、国民投票後に行った調査の多くは瞬間的な反応を映し出したもので、そうした反応はその後解消さ
れたとしている。株式相場は回復し7月の小売売上高は予想を上回った。失業保険申請件数も7月に減った。ただ
しこれは、求職者給付に代わり普遍的給付制度が導入されたことを一部反映している可能性がある。

 実際のところ、エコノミストらは明確な結論を導くにはまだ早すぎると言うにとどめている。

 以前に英財務省顧問を務めたマンチェスター大学のダイアン・コイル教授は「国民投票の結果の影響が、そん
なに早くに金融市場の反応以外に現れると期待するのは、どうみても愚かなことだ」と指摘し、「7月と8月の信
頼できる統計は数カ月手に入らないという事実は別として、輸出注文が取り消されたり、投資が進まなくなった
り、他に移されたりした場合には、影響が出るだろう」と語った。

 そしてまだ、リセッション(景気後退)の最も良い予兆はどれ一つとっても警戒警報を発していない。

 非金融機関や家計向けの民間信用は増加傾向が続いている。

 英銀行協会は24日、7月に信用が6%伸びたと発表した。クレジットカードでの借り入れは正味で前年比約20%
も急増した。住宅ローン借り入れも前年比で伸びたが、住宅ローン許可件数は減少した。

 英中銀イングランド銀行の統計では、6月の個人向け貸し出しは前年比の伸びがほぼ11年ぶりの高さとなった

 キングストン大学のスティーブン・キーン教授は、信用の伸びは現在、国内総生産(GDP)の約6%に匹敵して
いると語った。同教授は「リセッションの可能性は現在極めて低い。信用(の伸び)がいまのところプラスだか
らだ。近い将来における英国でのリセッションは予想していない。その可能性が高まるには、信用が強く落ち込
み始める必要があるだろう」と指摘した。

 サザンプトン大学のリチャード・ベルナー教授、オックスフォード大学のジェニファー・キャッスル教授、新
経済財団(NEF)のジョシュ・ライアンコリンズ氏が最近発表した共同研究によると、信用の伸びの変化は、経
済成長の変化との相関性が高いので重要だ。過去50年間の英経済を分析した結果、実体経済における銀行の信用
創造が名目GDP成長率の最も重要な予測因子との結論に達した。

 ライアンコリンズ氏は「最新の統計は非金融機関と家計に対する信用がプラスの領域に強く動いていることを
明らかに示しており、これでまだ(英国の)経済が大きく減速する兆しがほとんどないことの説明になるかもし
れない」と述べた。

 それでも、エコノミストらは最近の信用の伸びが続かない可能性があると心配している。ライアンコリンズ氏
は、この種の債務は「デフォルト(債務不履行)に対し一番崩れやすく、この強さの伸び率は維持可能ではない
公算が大きい」と指摘した。キングストン大学のキーン教授も、民間債務は過去の基準からすると「多大だ」と
している。

 一方、サザンプトン大学のベルナー教授は、イングランド銀行が先ごろ行った利下げは最終的に、信用を伸ば
すよりも抑える可能性があると指摘した。ロイヤルバンク・オブ・スコットランドなど一部の銀行は既に、事業
法人の顧客に対してマイナス金利を課して利ざやを守る措置を講じていると述べた。「イングランド銀行が政策
金利を新たに過去最低の0.25%に引き下げしたことが(中略)銀行の信用創造に悪影響を及ぼし、ひいては経済
成長に悪材料となっている」と語った。
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