2010年10月8日金曜日

知性の磨きかた (PHP新書) 林 望 (著)を読んだ感想を書いてみる。

目次

  • 第1日 学問の愉しみ(知性とはそも何であるか、学問において最も大切なこと、財産としての時間をどう使うか ほか)
  • 第2日 読書の幸福(「良い読書」という幻想、「奔放な読書」のすすめ、本は買って読む、寝ころんで読む ほか)
  • 第3日 遊びは創造(何もしないことの楽しさ渾然一体となる、オンとオフ、面白い仕事、つまらない仕事 ほか)

私は知性、品性、品格等の本を読むことをあまり好まないのですが、食わず嫌いもよくないと思いこの書籍を手に取ってみました。結論から言うと、食わず嫌いは本当によくないということを再認識しました。とても面白かったです。(本書がたまたま私に相性がよかっただけかもしれません。)今まで、品性や品格等の本を好まなかった理由は、品性、品格を主張したり論じたりすること自体が品がないのではないのかなあと思ったりする部分が私の心の中にあったからです。ところが、本書は小難しいことも無く、話口調でエッセイのような感じだったので気構えることも無く最初から最後まですんなりと楽しく読めました。

そんなに長い本でもないので、最初から最後まで読むのがいいと思いますが、この本でも長いと感じる方は第2日の読書の幸福を読むだけでも価値ある1冊だと思います。私は今まで読書を自由に楽しんでいたつもりでした。しかし第2日の部分を読見終えた頃には、著者のいう読書の定義そのものが私の読書の定義と全く異なることに気づき、私の読書の定義も著者の定義に合わせようと定義し直しました。私が自由な読書だと考えていたのが実は自由ではなく、本当の自由を本書により認識することが出来ました。これまでよりさらに自由な読書を楽しめることが出来るようになりそうでわくわくしています。(自由な読書については本書で確認してみてください。なるほど!と思うと思います。)

もう1つ、いままで悩みの種だった、本は買うべきか、借りるべきかということにも結論を得ることが出来ました。本書を読み終えた今では本は買うべきだと確信しました。著者の主張はとても説得力があり、今まで私の頭の中の買うべきか、借りるべきかともやもやとしていたものを吹き飛ばしてくれました。著者に感謝です。

ということで、本書は私のように元々読書好きな方にとっては改めて読書とは何か、自由な読書とは何かを教えてくれる本ですし、読書嫌いな方にはその嫌いな読書ではなく、自由な読書という別の読書を知ることができ、もしかしたら元々の読書は嫌いなままでも著者のいう自由な読書なら好きになるかもしれない、これからの人生で楽しみの1つの中に自由な読書という項目を増やしてくれる可能性のある価値ある1冊です。

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