![[小食・不食・快食]の時代へ - 「食のとらわれ」から自由になる方法 - (ワニブックスPLUS新書)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61BfEbSFFsL._AC_UL160_SR160,160_.jpg)
この本の中で鳴海氏と帯津医師が一貫して伝えてあるのは、私たち人間も自然の一部であるのだから、「自然の摂理の中で、こころとからだの声を素直に聴くことが健康の基本」であるということに他なりません。
従って、宇宙という巨大な家族の一員である地球人たる私たちが自然と調和する生き方をすることこそが健康の秘訣であるということになってまいります。
そして、私たちは、私たちに与えられている“からだ”という身近な大自然を通じて、宇宙の真理を学び、更に、私たちを守り育んでくれている母なる地球の声をも代弁しているということを忘れてはならないということなのでしょう。
関連して、医学のあり方も、帯津医師の目指してある「人間を丸ごと診るホリスティック医学」、即ち、からだ、こころ、いのち(魂)を引っ括めて捉えようとする医学へと進化するべき時に来ているものと、私も感じております。
こころや生命エネルギーがどれほど病の発現や経過の良し悪しに深く関わっているのか、そうしたことをきちんと踏まえない限り、いくら検査の精度が増して、如何に優れた薬ができたところで、病の根本的治癒は適わないことでしょう。
第一、私たちは、部品を寄せ集めたところのただの機械やロボットではありませんし、データや数値では到底測ることのできない強力な自然治癒力を備えている存在なのです。
現在、世の中の大きな流れが分離から統合へと向かいつつあるのと同じく、細分化させられてしまっている医学も統合へと向かわざるを得なくなっているということが言えるでしょう。
その意味するところは、ミクロコスモスとしての人間を診るための、西洋医学と東洋医学の統合であり、科学(エビデンス)と閃き(直観)の統合であり、目に見えるものと目に見えないものとの統合であり、医師の行う医療と自分で行う養生の統合であるということです。
そして、生と死は表裏一体で切り離すことのできないものゆえ、「死」を忌み嫌ったりタブー視したりせずに、「朝起きて夜寝る」という当たり前の感覚で、「生」と「死」を統合する生き方という視点も加わってくることになるのでしょう。
鳴海氏も言ってありましたが、私たちは「長く生きること」に殊更に拘ったりするのではなくて、本来、私たちが学ぶべきは「天寿を迎えるまでの「生き時」を元氣に楽しむ秘訣」の方なのかもしれません。
そして、お二方が対談の中で言ってあったように、「いのちのエネルギー」を高め続ける鍵となってくれるのが、私たちが感じる「ときめき」に他ならないのだと。
そもそも、天寿も人それぞれであり、「百歳」や「平均寿命」などに拘らなくても、一人一人に丁度良い「死に時」があるのではないか、ということなのです。
つまり、目に見えること=「長く生きること」を最も価値のあることとみなして人生の目的に据えることよりも、幸せな「生き時」の延長線上にある幸せな「死に時」を迎えることこそが私たちの人生にとって一番大切なことと言えるのかもしれません。
そして、幸せとは、物質面で測ることではなくて、また、誰かと比べるものでもなくて、自らがそう「感じる」ことであり、また、自らのこころが、丸くて広くて穏やかな状態にある時を指して言うものなのではないでしょうか。
更に、お二方は、世の中には実に様々な養生法があるのですが、どんな方法を選ぶにしても、根底に「ときめき」があるべきであるということを言われてありました。そうでないと、強制になってしまい、伸びやかで楽しむこころには到底なれないことでしょう。
ですから、各々が「ときめき」を感じる養生法を、各々で選ばれるということが最善であるということではないでしょうか。
そして、「自分だけ」の養生のためという考え方から、「誰かのために」とか「万物のために」などといった具合にもっと大きく広がっていった時に、「いのちのエネルギー」はグンと高まり、大いなる喜びを伴いつつ、免疫力や自然治癒力も大幅に上がるのだということも言われてありました。
私も身近に、過去にがんを患った方で、今現在、がんを患ってある方の様々な相談にのっては喜んで手助けしてあるお姿を拝見致しておりますが、見る度に、その方の生命力が輝きを増しては、どんどん元気になってある、そういった感じを抱いております。
つくづく、私たち人間は、「喜ばれると嬉しい」という本能を備えて生まれてきた存在なのだなあと実感致しております。
そういうわけで、日々、「いのちのエネルギー」を高め続ける具体的な方法を説きつつも、「生き時」を幸せに過ごし「死に時」を幸せに迎えるべくヒントも満載のこの本を、いろんな方にお勧め致します。
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