2016年 130日(土)午後3時50分 放送(総合テレビ)

それはホロコーストの"リハーサル"だった
~障害者虐殺70年目の真実~

600万人以上のユダヤ人犠牲者を出したとされるナチス・ドイツによるホロコースト。しかし、ユダヤ人大虐殺の前段に、いわば'リハーサル'として、およそ30万人の、精神や知的に障害のあるドイツ人らが殺害されていた。終戦から70年もの年月がたった今、ようやくこの事実に向き合う動きが始まっている。きっかけの一つは2010年、ドイツ精神医学精神療法神経学会が長年の沈黙を破り、過去に患者の殺害に大きく関わったとして謝罪したこと。学会は事実究明のために専門家を入れた国際委員会を設置し医療の進歩を信じた'革新派'の医師達がいかにして殺人に自主的に関わるようになったのかなど2015年秋、報告書にまとめた。こうした事実に触れ、「あの時代だったら自分も殺されていたかもしれない」と語るのは日本障害者協議会の代表として、障害者の課題と向き合ってきた藤井克徳さん(自身は視覚障害)。藤井さんとともにホロコーストの"リハーサル"がなぜ起きたのか、それを止めようとする人たちはいなかったのか、そしてなぜ今まで沈黙が守られてきたのかを明らかにする。(※解説放送あり)

語り:大竹しのぶ
(内容60分)

※今回の総合テレビでの放送は、1分追加した60分バージョンです。障害者虐殺に関わった医師、運転手、遺体焼却係など多くの人たちが、その後ユダヤ人虐殺を行った収容所へ送られ、効率的に大量殺戮を行う方法を伝授していたことを、新たに発掘した写真などを盛り込んでお伝えします。

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ホロコーストより前、ガス室がつくられていた精神科病院の地下。
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障害者だった父親を殺された遺族とともに、お墓を訪れる藤井克徳さん(真ん中)。
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パーキンソン病の治療のための入院中にガス室に送られ、殺されたマーティン・バーデルさん。
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てんかんのため、殺されたヘルガ・オルトレップさん(右)。