高校生、留学に消極的 「日本が暮らしやすい」
財団法人調査、「したい」46%止まり
将来も含めて海外留学したいと考えている日本の高校生は46.1%で、日米中韓4カ国で最も低かったことが財団法人「日本青少年研究所」(東京)などが実施した高校生の意識調査で4日、分かった。留学したくない理由について「面倒だから」という回答が4割近くに上るなど、内向き志向が目立った。
調査は昨年6~11月、4カ国の高校生計約8千人を対象に実施した。
「留学したい」と答えたのは韓国82.2%、中国58.2%、米国52.9%、日本46.1%。その理由(複数回答)で日本は「語学力を身に付けたい」が79.9%で最も多く、「視野を広げたい」が79.5%。一方、「その国の進んだ知識を獲得したい」は28.0%にとどまり、5~6割に達した米国や中国と差が開いた。
「留学したくない」とした生徒に理由を複数回答で聞いたところ、日本は「自分の国が暮らしやすい」(53.2%)、「言葉の壁がある」(48.1%)、「外国で一人で生活する自信がない」(42.7%)の順。「母国の教育がより自分に合う」は4.5%だった。
「経済的に難しい」は日本が19.5%に対し、米国が46.5%、中国が43.3%、韓国が43.1%。一方、「面倒だから」は日本が38.5%で最も多く、米国が15.7%、中国が33.0%、韓国が31.7%となり、日本の高校生は経済的に恵まれていながら意欲が乏しい実態が浮かんだ。
希望の留学先は日中韓では米国がトップで、英国が2位に。米国では日本がトップで、英国、スペインが続いた。
文部科学省によると、2009年に海外留学した日本人は5万9923人で5年連続で減少している。グローバル化に対応して日本人学生の送り出しを増やそうと、東京大では入学時期を欧米で主流の秋に移行させることを検討している。