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■彩の旅路 本田滋の世界展(2015年12月1日~26日、札幌) 12月26日その4

2015年12月30日 20時27分58秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(承前)

 桑園からふたたび列車にひと駅だけ乗って琴似へ。

 とにかく道が滑るので、ロードヒーティングされている歩道を選んで歩いて、ギャラリー北のモンパルナスへ。

 この数年、怒濤の勢いで作品を発表している、札幌の本田滋さんが、過去作品から近作までを並べた個展を開いているので、最終日の終了間際に訪れた。

 美術家は、新作にこだわる人が多く、それはそれでいいんだけど、見逃してしまうこともあるので、ときどき旧作を展示してくれるのは助かる。

 今回の本田さん、旧作も旧作、押入れの奥から引っ張り出してきて展示した水彩2点「夢待ち港 A」「夢待ち港 B」は、札幌西高美術部時代に、合宿で訪れた後志管内岩内町の風景画。あざやかな色彩で夕焼けの港を描いており、いまの本田さんと通じるものがあるかもしれない。
 大学時代に初めて描いた抽象画もあった。

 あらためて見ると、本田さんの絵も年を追って変わっているんだと気づく。

 次に掲げるのは、2009年の「もうひとつの道」(左)と、2010年の「歩道橋渡ると」。
 左は、中央区南1西19の、南1条通と裏参道が分岐するところ。右は中央区北3西1の全日空ホテルと長い歩道橋のあるところを描いている。
 
 右は、歩道橋の螺旋階段部分の曲線に着目して描き始めたとのこと。バスやビルの窓、舗道の白い矢印などが、曲線で呼応するように描かれている。
 本田さんの札幌への愛着が感じられるし、細かいところまで考えられている作品だ。

 今年に入り、彩度が抑えられるとともに、モティーフも郊外の風景が多くなった。
 ただ、ほかの人が目を向けないようなさりげない風景を描くのが、本田さんの真骨頂なんだと思う。


2015年12月1日(火)~26日(土)午前11時~午後6時、日月祝休み
ギャラリー北のモンパルナス(札幌市西区二十四軒4の3)


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(この項続く) 


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