MOVIX京都で「シネマ歌舞伎 女殺油地獄」を見る。
2009年に行われた「歌舞伎座さよなら公演」を撮影したもの。
シネマ歌舞伎『女殺油地獄』予告編
片岡仁左衛門が当たり役の河内屋与兵衛。
仁左衛門主演の舞台を見るのは南座の「ハムレット」以来。
店の金を持ち出して女遊びに興じる与兵衛。
金の無心を断られて家族に暴力をふるう与兵衛。
身勝手な放蕩息子の無責任さがにじみ出ています。
それでも品性を感じさせるのが仁左衛門のダンディな魅力。
どこか憎みきれないキャラです。
与兵衛を勘当しながらも、子への愛を捨てきれない両親。
借金に追い詰められて、
知人の豊嶋屋お吉に借金を申し込むも断られ、
お吉殺しを決意するところから与兵衛の表情は一変。
油まみれになっての立ち回りは、
壮絶な殺人の場面でありながらも滑稽さが醸し出されています。
与兵衛の愚かさが生んだ悲劇であることを示すかのように。
与兵衛が金を奪って逃げるところで終わりなのですが、
与兵衛の破滅という点で主題は完結しています。
機会があれば舞台公演を見たいものです。
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