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日本会議の正体

日本会議の正体

安倍政権と密接な関係をもち、憲法改正等掲げて保守運動を展開する「日本会議」。 その成り立ち、活動の現状、今後の方向性を描く。

青木 理
シリーズ・巻次 平凡社新書  818
出版年月 2016/07
ISBN 9784582858181
Cコード・NDCコード 0231   NDC 310
判型・ページ数 新書   264ページ
在庫 在庫あり
定価880円(本体800円+税)

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この本の内容
目次

 

安倍政権と密接な関係をもち、憲法改正などを掲げて政治運動を展開する、日本最大の草の根右派組織「日本会議」。虚実入り混じって伝えられる、その正体とは。関係者の証言を軸に、その成り立ちと足跡、活動の現状、今後の行方を余すことなく描く。 反骨のジャーナリストがその実像を炙り出す、決定版ルポルタージュ。

 

《目次》
プロローグ
外国メディアはどう報じてきたか/日本メディアの追随

第1章 日本会議の現在
右派人士を網羅した「国民会議」/“宗教右派”が結集した「守る会」
「国民運動」を支える基盤として/「最大の敵」の喪失と“原点回帰”
現実政治への影響/資金面は誰が支えているか/個別のテーマごとにフロント団体
宗教団体が下支え/「地方から都市へ」/日本会議の“理論的頭脳”
内部資料による国会議員懇談会の現況/地方議会への浸透
「安倍さんにとっては、ありがたい存在」

第2章 “もうひとつの学生運動”と生長の家──源流
事務総長・椛島有三の原点/右派学生の蠢動/全国学協初代委員長・鈴木邦男の証言
創価学会へのライバル意識と危機感/「日本会議の大元は生長の家」
谷口雅春の才覚と手腕/「『天皇国日本』は世界最大の文化的創作」
政界の“谷口雅春信奉者”たち/生長の家政治連合/生長の家の「政治との断絶宣言」
現総裁の「侵略戦争論」と路線変更/日本会議の実務部隊
「自民党ができないことをやってくれている」/日学同第3代委員長から見た日本会議
「楯の会」1期生の証言/根底にある「宗教心」

第3章 くすぶる戦前への回帰願望──日本会議と神道
戦後体制への憤懣/日本会議内部での神社本庁の役割/神社界に流れる通奏低音
神社本庁の動員力、資金力/憲法改正「1000万人署名」の実態
「自民党に限らない改憲派を糾合したい」/「社会が乱れているのは、信仰心のなさ」
「運動がやりやすくなった」

第4章 “草の根運動”の軌跡
最初の成功体験/「下から」の運動と「上から」の政治力
自民党を「正しき軌道に導く戦い」/47都道府県に“キャラバン隊”
できあがった運動形態/「自民党の変質を憂う」/伝統にもとづく皇室行事を
「新憲法研究会」を組織/「謝罪病をいかに治療するか」/「伝統的家族観」に拘泥
国旗国歌法の可決で万歳三唱/靖国をめぐる動き/渦を巻く教育基本法への憤懣
「教育基本法改正は憲法改正の前哨戦」/「阻止・反対の運動」からの転換
戦後体制の元凶の打破へ

第5章 安倍政権との共振、その実相
蓄積してきた手法と組織を総動員/改憲へ向けて押される最後のスイッチ
「歴史的事件が起きている」/“右派政界の次期エース”稲田朋美の証言
「濃密な関係は全然ありません」/憲法改正問題の根本
日本会議の存在は大きいのか/右派勢力へのアンチテーゼの消滅
そして、日本会議の正体とは

あとがき

参考文献・資料一覧
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