また、「自民党東京都第10選挙区支部」の収支報告書によれば「M-SMILE」という会社に「調査費」名目で09年に2回に分けて計65万1千円、12年に95万円、13年に25万円、14年に90万円が支出されていた。「M-SMILE」は領収書に記載された住所に登記がないことなどから、実態を疑問視する報道もなされた。

「M-SMILE」の経営者は小池氏の元秘書の森口つかさ氏(34)。7月31日投開票の東京都議補選に「小池百合子推薦」で出馬し、落選している。森口氏の公式サイトにある経歴によれば、08年9月に小池事務所に入所したというが、09年4月には兵庫県の大学院に入学。直後の同年7月には「M-SMILE」が世論調査の対価を受け取った。

「森口氏がもし、秘書のまま世論調査を請け負っていたら、身内への発注となり『裏金づくり』にも利用できてしまう。説明する責任がある」(上脇氏)

 森口氏は本誌の取材に、<適正な報酬を受け取っていたに過ぎず、「裏金づくり」の余地などは存在しません>と回答。

 小池事務所は文書で以下のように回答した。

 家電量販店の支出は<主に事務作業用のパソコン、モニタ、ソフトウェアなどを購入しております>。都内でのホテル宿泊は<会計の事務担当が来た際に宿泊したものです。高額のものは複数泊しております>。ゆり子漬けは<江戸の伝統野菜の普及、振興という観点から政治活動の一環として取り組み>。自著の購入は<(政治資金パーティーの)パーティー券の対価としてお配りしたものや、政策をご理解頂くために同僚の国会議員にお配りしたもの等の総計です>。森口氏については<秘書としての身分を有する期間に世論調査を発注していない>。

 9月の都議会でバトルが再燃しないことを祈るばかりだ。(本誌・上田耕司、小泉耕平/今西憲之)

週刊朝日 2016年8月19日号より抜粋