【20~30代ビジネスパーソン調査】仕事中に災害が起きたら…緊急事態に備えて用意しているものは?

9月1日は防災の日。

8月30日~9月5日までが防災週間とされており、皆さんの会社でも防災訓練が行われるかもしれません。

さて、もし勤務中に災害が発生した場合に備え、皆さんは何か準備しているものはありますか? 会社が非常用グッズや食糧を十分に保管していてくれるのなら安心かもしれませんが、やはり自分の身は自分で守る意識を持ちたいもの。特に、外回りや通勤中に非常事態が発生した場合は、自力でピンチを乗り切らなければなりません。

そこで、首都圏で働くビジネスパーソンを対象に、仕事中に災害が発生した場合に備え、「個人的に」オフィスに準備しているもの(外回りが多い人であれば持ち歩いているもの)を聞いてみました。

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<アンケート概要>
対象:首都圏で会社に勤務する20~30代の男女。回答数:367名 実施時期:2016年8月

6割の人が何らかの非常用アイテムを常備

「意識的に準備しているものはない」と答えたのは、367人中157人と、およそ4割。一方、6割近い人が、「非常事態に備えて準備しているものがある」と回答しました。
準備しているアイテムを選択式(複数回答)で選んでもらった結果を、多かったアイテム順にご紹介しましょう。

1位)水  118人(32.2%)

これは予想通りといえるでしょう。理由として圧倒的多数を占めたのは、

  • 「食料が足りなくなっても水さえ飲んでいれば生き続けることができる」(35歳・女性)

過去の災害時の教訓も強く刻まれているようで、

  • 「震災時のニュースを見ていたとき、水不足という言葉をよく聞いたから」(27歳・女性)

…という声もありました。

  • 「飲むほか、生活用水や調理などいろいろ使える」(30歳・女性)
  • 「傷口を洗浄することができるので、感染症などに対応できる」(35歳・男性)

…など、飲料用以外の用途まで想定している人も見られました。

2位)携帯電話の充電器  74人(20.2%)

理由は大きく2つ。「連絡を取れるようにするため」と「情報を得るため」。

  • 「3.11のときにスマホのバッテリーが少なくて不安になったから」(38歳・男性)
  • 「3.11のときに携帯電話の充電器がなくて家族と連絡がとれず、とても困ったため」(37歳・女性)

…と、実体験から必要性を感じている人が多いようです。

3位)非常用食料  66人(18.0%)

  • 「震災以外の別のストレスが発生するので」(22歳・女性)
  • 「空腹が一番つらいと思うから。小腹が満たされれば動ける!」(37歳・女性)

具体的には、かさばらず栄養価の高い食べ物を常備している人が多いようです。

  • 「クッキー、チョコレートを常備している。会社でも非常食を備蓄しているが、それらは苦手なので自分で用意している。近くにコンビニもあるが、周辺にはオフィスや学校が多く、人が殺到しそうなので頼るのは危険だと思う」(27歳・女性)
  • 「腹が減っては戦はできないので、非常食として飴やチョコなどを常備している。他の人にも配れるように、小分けタイプのものを選んでいる」(34歳・女性)

4位)現金  65人(17.7%)

  • 「通信網が麻痺し、カードが使えなくなる可能性があるから現金を持ち歩いている」(29歳・男性)
  • 「歩いて帰宅途中に何か欲しいものが出てくるかも。例えば、水やおにぎりなど、コンビニに寄ることを考えて」(37歳・女性)

ほか、公共交通機関が止まったときに自宅まで帰るためのタクシー代、家に帰れない場合のホテル宿泊代など、お金が必要になる場面は多数あります。

  • 「最低3万は財布に入れている」(31歳・男性)
  • 「いつも財布には10万を入れている」(35歳・男性)

5位)スニーカーなど歩きやすい靴  60人(16.3%)

3.11の際には、首都圏でも交通機関がストップし、多くの人が何時間もかけて帰宅しました。そうした状況を想定している人が多く見られました。

  • 「革靴では脚が痛くなるので、スニーカーを用意している」(38歳・男性)
  • 「仕事で履く靴は長距離の徒歩には不向きなので、疲れづらく丈夫なスニーカーを用意してある」(26歳・女性)
  • 「スニーカーを常備している。家族のもとに帰りたいから、長距離でも歩けるように。それに建物ガラスなどが飛び散った中歩くのは困難なので」(38歳・女性)
  • 「破損した落下物を踏んでケガをしないため。また、どれだけ歩くことになるかわからないため、履きなれた靴が必要だと思う」(31歳・女性)
  • 「震災が起きたときにいつでも逃げやすいように、普段からスニーカーで出社している」(32歳・女性)

6位)懐中電灯  51人(13.9%)

  • 「停電に備えて、避難路がちゃんとわかるように」(31歳・女性)

昼間であっても、避難するオフィスの廊下は暗く、身動きがとれない可能性も。自分のデスクに一つ備えておくと安心。また、停電した街中を歩いて帰宅することになった場合、灯りは必須です。

7位)マスク  47人(12.8%)

  • 「ほこりや乾燥から守ってくれる」(30歳・女性)
  • 「がれきなどでほこりが舞っていたりする状況を考えると、ぜんそく持ちの私には絶対に必要なもの」(38歳・女性)

8位)自宅までの地図、帰宅支援マップ  38人(10.4%)

  • 「家族の安否が心配だから、何としても家に帰りたい」(27歳・女性)
  • 「建物が壊れたりすると、目印がなくなるから」(31歳・男性)
  • 「3.11の際、歩いて帰ったときに迷ってしまったから」(37歳・男性)
  • 「勤務先から自宅までは土地勘のない道であるため、迷わないように地図は必須」(38歳・男性)
  • 「通れる道を確認するため」(38歳・男性)

「帰宅支援マップ」には、避難所の場所なども表示されているのでいざというときに便利。スマホアプリもあります。

8位)タオル、大判ハンカチ 38人(10.4%)

  • 「タオルやハンカチはケガをしたときなどに役に立つし、夏は水に濡らせば冷却用に、冬はそのまま巻いてマフラーにもなって万能だから」(38歳・男性)

9位)救急医療品 31人(8.4%)

  • 「外にいると落下物などでケガをするかもしれない。絆創膏は欠かさず持ち歩いている」(29歳・男性)

なお、10位以下は次のとおり。

●携帯ラジオ  25人
●非常用ブランケット  25人
●テレホンカード  22人
●連絡先メモ  19人
●ホイッスル  19人
●非常用トイレ  18人
●コンタクトレンズ  1人
●ヘルメット  1人

―― 災害が起きてしまった場合、ちょっとした備えによって心強く感じたり、ピンチを乗り切れたりするもの。ぜひ、自分の身に起こった場合を想像し、必要となりそうなものを見直してみてはいかがでしょうか。

EDIT&WRITING:青木典子 

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