動画を投稿しました。
アメリカのIIHSが行っている、スモールオーバーラップ試験の動画です。
スモールオーバーラップ試験とは、時速70マイル(約65キロ)で、車体の前方25%にオフセット衝突させる実験のことです。
しかしこれは、今まで行われてきた運転席側の試験ではなく、助手席側の試験です。
まだこれは、お試しの試験ということで、試験結果にはまだ掲載されないということですが、IIHSはいずれ結果にも含むということを発表しています。
この動画に登場する車種は、
ヒュンダイ・ツーソン(2016)、ビュイック・アンコール(2015)、ホンダ・CR-V(2015)、マツダ・CX-5(2015)、スバル・フォレスター(2014)、日産・ローグ(2014)、トヨタ・RAV4(2015北米仕様)
です。
ちなみに、大体評価がいい順番です。
それぞれ、詳細を記していきたいと思います。
IIHS発表資料がありますが、英語です
私の翻訳は間違っている可能性がありますが、そのときは指摘をよろしくお願います。
まずですが、登場車種の運転席側のスモールオーバーラップ試験結果は、全てGoodです。
これはもうほぼ当たりまえとなってきています。
問題は、助手席側がどうなのか。
とりあえず、車別の結果だけを書いていこうと思います。
・ヒュンダイ・ツーソン(2016)
評価:Good
試験車種中唯一2016年モデルで、評価もGoodでした。
・ビュイック・アンコール(2015)
評価:Acceptable
・ホンダ・CR-V(2015)
評価:Acceptable
・マツダ・CX-5(2015)
評価:Acceptable
・スバル・フォレスター(2014)
評価:Marginal
・日産・ローグ(2014)
評価:Marginal
・トヨタ・RAV4(2015北米仕様)
評価:Poor
試験車種中で唯一評価がPoorでした。
IIHSがスモールオーバーラップ試験を導入して以来、多くの車種にて構造的な変更があったそうです。
そしてその結果、多くの車種が、良い評価を出しました。
運転席側は良い評価が出たが、助手席側はどうなのか?となり、今回の試験に至ったというわけです。
実は、運転席側のスモールオーバーラップ試験が行われたとき、運転席側にのみ補強を入れ、試験で良い結果を残している車があるということを、IIHSは見抜いていたんですね。
で、今回の車種の中だと、目に見えて左右の構造が違うものは、
日産・ローグとトヨタ・RAV4だったそうです。
IIHSが公開している資料を見てみると、
ローグは1つ前のモデルで2012年に試験を行った際、Marginalでした。
2014年に新モデルが出て試験を行った際は、Goodでした。
RAV4は2013年に運転席側のスモールオーバーラップ試験を行った際、Poorでした。
しかし2015年に再度試験を行った際は、Goodでした。
ローグはモデルが違うため、直接的な評価はできませんが、
RAV4はモデルが同じであり、試験後に運転席側にのみ補強を入れたことは確実だと思います。
助手席側の実験もすることにより、こういうことを減らせるという点で、いいことであると私は感じます。
片方にだけ補強を入れ、明らかな試験対策だけをしているのは、ユーザーからしてもあまりいい気持ちではないですよね。
しかしトヨタ、運転席側スモールオーバーラップといい、AEB試験といい、お受験対策がすごいですね…
すぐに試験に合わせてこれるトヨタもすごいですが、やれるなら最初からやってほしい。というのが本音です。
そして、残りの車種はすべて左右の構造は同じだったそうです。
しかし、フォレスターとCX-5では、完全に一緒ではない可能性があるとのことです。
というのも、材質を変える(運転席側だけ強いものを使う等)や、補強の厚さを数ミリ単位で変えてある可能性もあるらしいです。
しかし私は、フォレスターについてはそうはあまり感じませんでした。
というのは、フォレスターは2014年に現在のモデルになっており、はじめから運転席側の試験ではGoodを出しています。
しかもかなり早くに評価が出てきていたため、いわゆる試験対策はできていないのでは?と思いました。
対してCX-5は、2013年に現在のモデルになっていますが、2013年の運転席側の試験では、Marginalを出しています
2015年から、Goodになっており、このときに何かしらの対策をしたのでは?と感じます。
もちろん、私はどちらの車にも乗っていませんし、実験した場所にいたわけでもないので、空想であるのかもしれません。
しかし、実験を行ったIIHSがそう発表しているのですから、そうなのでしょう。(私が疑問に思っただけです)
もしかするとフォレスターは、対向車とぶつかりやすい方をわざわざ補強していた(試験対策ではなく、安全対策)のかもしれませんけどね。
他の車種ですが、もちろん左右の構造は同じですが、なぜ運転席側と評価が違ったのか?
というのは、運転席側にはハンドルやペダル等があり、それらを支えるための構造があります。
しかし助手席側にはそれらがないため、評価が悪くなったのでは?とIIHSは考えています。
今回はお試し実験でしたが、この実験によって、左右での評価が異なるということが分かりました。
IIHSもこの実験を通して、早ければ2018年より本試験に取り入れる予定とのことです。
日本でもやってほしい試験の一つです。