らんかみち

童話から老話まで

遍路お接待というベクトル

2014年04月13日 | 暮らしの落とし穴
                     

当地では遍路市の日程に合わせて遍路道の草刈りや水路清掃となどを実施するんだけど、これは地域の保全という意味より、「巡拝するお遍路さんのため」というベクトルが強く働いている。

「雨が降っているのに道役をするのか?」と、電話の問い合わせはある。タクトを振るぼくとしても悩ましいとこだけど、雨の状況をみて今日は決行した。
「春に3日の晴なし」という戒めを知りつつ、ぼくの見通しが甘かったせいだから、皆さんには申し訳ない。

 年寄りに過酷な労働をさせている、という非難は甘受するとして、金銭的報酬はは考えないのかと問われたら、あり得ないと思う。
 もし仮に、「日当を出す」と宣言したら、今まで道役に来てくれなかった村人が来てくれるかも知れない。しかし、遍路巡拝者のために無償で奉仕してきた人たちは、「金のためにやっているんじゃない」と異を唱えるに違いない。

 島四国開創以来200年に亘って培ってきた「お接待」の精神って、昨日今日で獲得できるような軽い志じゃないのは理解できる。当地の人たちの体に染みこんでいるというか、DNAに刻み込まれているんじゃないかとさえ思える。
 そんなこんなで来週は遍路市なんだけど、これまた天気予報が芳しくない。桜は今が満開なので花遍路ってのも厳しいけど、まあそれも遍路だもんね。

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