第11回ヴァルダイ会議プーチン演説での質疑応答一つと、2月21日協定
ウラジーミル・プーチンは道徳的世界の指導者
2014年10月25日
Paul Craig Roberts
読者の皆様
ヴァルダイ国際会議、第11回会議でのウラジーミル・プーチン発言は、私の最新コラムのリンクより遥かに価値がある。これは人道主義の政治指導者の言葉であり、これ程のものに、これまで世界はお
目にかかったことがあるまい。
プーチンを、ホワイト・ハウスにいる背徳的な戦犯や、ドイツ、イギリス、フランス、日本、カナダ、オーストラリアのトップにいる彼の傀儡連中と比較願いたい。そうすれば、犯罪者集団と、全ての人々の利益が尊重される、人情のある、住みよい世界を実現する為に努力している指導者との違いがお分かり頂けよう。
正気の欧米社会であれば、プーチン発言の全文コピーが出回り、スティーヴン・F・コーエンの様な専門家がコメントする討論会が開催されていただろう。
絶賛のコーラスを、テレビで見聞きしたり、活字メディアで読んだりすることになっていただろう。
だが、支配者連中が、自国は“例外的”で“必要欠くべからざる”、世界に対して覇権をふるう超法規的権限を持った国だと主張する国においては、もちろん、それに似たようなことは起こりえない。
ワシントンと、未来予測専門家ジェラルド・セレンテによって、“presstitutes”と名付けられた、その売女マスコミについて言えば、ワシントン以外に重要な国はないのだ。“あなた方は我々の味方か、敵かどちらかだ”つまり“お前たちは我々の臣下か、敵かどちらかだ。”これはつまり、ワシントンが、ロシア、中国、インド、ブラジルや南米や、イランや、南アフリカは、敵であると宣言したに等しい。
属国国民や自国臣民の多くから憎悪されている、世界の歴史上、これほど恐ろしい兵器使用例が他にない核兵器を用いて、ちっぽけな日本を、1945年に打ち破って以来、戦争に勝ったことがない破綻国家にとって、これは世界のかなりの部分だ。
アメリカ人として、教養ある討議集団を前に、プーチン発言並みの質で演説ができる、誰か思いつけるアメリカの政治家、あるいはそれを言うなら、ハーバード、プリンストン、イエールなり、スタンフォード大学教授をご想像願いたい。質問に対して、言い逃れをするのでなしに、的確に直接答えられる、アメリカ人政治家の誰かを、思い起こそうと試して頂きたい。
プーチン発言を読んだ人は、必ずプーチンは世界の指導者だと結論づけるだろう。
私の考えでは、プーチンが余りに傑出しているがゆえに、ワシントンは彼を暗殺対象にしているのだ。
CIAは、CIAがロシア国内で養っているイスラム・テロリストを起用するだろう。
国民の中を、決して公然と動き回ろうとしないアメリカ大統領と違って、プーチンは国民から隔離されていない。プーチンは、ロシア国民と気安く接し、国民に混じって会話対話する。これで彼は、暗殺をする為に、チェチェン人テロリストや、聖戦戦士の自爆テロ犯、あるいは伝統的“孤独な異常凶悪犯”を、CIAが起用する格好の標的になっている。
不道徳で、邪悪で、衰退しつつある欧米は、プーチン程の質の指導者を生み出すことができない状態だ。プーチン誹謗は済んでいるので、彼を暗殺しても、欧米マスコミには、ほとんどコメントは載るまい。
プーチンの素晴らしい発言は以下の通りだ。
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以上は、Paul Craig Roberts氏による紹介文。本文、いつもの記事の量の11-14倍はある。
重要な演説と質疑応答であることは十分承知しているが、とりあえず、質疑応答の一つだけ翻訳ご紹介する。
宗主国大統領の演説を本気で読もうと思ったことは一度もなく、読んだこともないと思うし、自国の傀儡紙のデタラメ放題、まして、人生を無駄に使う気力はおきない。しかしこのプーチン大統領発言、熟読玩味に値するように思う。原文を読んでみたいと思う。
小学校で英語を教える余裕があるのであれば、本来、こうした文章を、高校三年までで、読める様、教育すべきだろう。従順な奴隷生産が狙いの属国文部教育破壊省、もちろん、そういう政策は、決しておこなわない。
以下は、質疑応答の一つだけの、翻訳である。
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(オタワ)カールトン大学統治・公共政策センター所長、政治学教授ピョートル・ドゥトキエビッチ(Prof. Piotr Dutkiewicz):
大統領、よろしければ、東と西にとって、きわめて重要ですので、クリミア問題に遡らせて頂きたいと思います。これに至った事態の全体像に関する大統領のお考え、特に一体なぜこの決断をされたのかを伺いたいと思います。物事を他のやり方ですることは可能だったのでしょうか?
大統領は、これをどのように行われたのでしょう? こうしたことは重要な詳細です。ロシアはクリミア内で、どのようにこれを行ったのでしょう。最後に、ロシアにとって、ウクライナにとって、ヨーロッパにとって、そして規範的な世界秩序にとって、この決断の影響を、どのようにお考えでしょうか? 私がこれを質問させて頂いているのは、何百万人もの人々が、こうした出来事について、あなたによる個人的なご説明と、こうした決断をされたやり方を知りたがっていると思えばこそです。
ウラジーミル・プーチン: これについては、もう何度お話したかわかりませんが、もう一度お話しましょう。
2月21日、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチは、反政府派との有名な文書に署名しました。ヨーロッパ三国の外務大臣が、協定実施の保証人として、協定に署名しています。
2月21日の夜、オバマ大統領は私に電話をかけ、我々は、この問題と、協定の実施をどのように支援できるか話し合いました。ロシアはある種の義務を引き受けました。アメリカ大統領にも、ある種の義務を引き受ける用意があると聞きました。これは21日の夜のことでした。
同じ日に、ヤヌコーヴィッチ大統領が電話をかけてきて、協定に署名し、状況は安定し、ハリコフでの会議に行くつもりだと言いました。私が懸念を表明したという事実を隠すつもりはありません。
一体この状況でどうして首都を離れることができるのでしょうか。彼は、反政府派との協定文書があり、ヨーロッパ諸国の外務大臣がそれを保証しているから可能だと思うと、答えました。
もっとお話しましょう。私には万事好調とは思えないが、決めるのはあなただと言いました。彼は大統領で、状況を理解し、何をすべきかをより良く知っていたでしょう。“どんな場合も、キエフから警察部隊
撤退すべきだとは思わない”と私は彼に言いました。彼はわかったと言いました。それから彼はキエフを去り、全警察部隊をキエフから撤退させる命令を出しました。もちろん、うまい手でした。
キエフで起きたことを我々全員知っています。翌日、我々のあらゆる電話会話にもかかわらず、外務大臣達の署名にもかかわらず、ヤヌコーヴィッチがキエフから去るや否や、彼の政権は、政府庁舎と共に、武力で乗っ取られました。同じ日に、連中はウクライナ検事総長の車列を射撃し、彼の護衛官の一人を負傷させました。
ヤヌコーヴィッチが私に電話をかけてきて、会ってこれについて相談
したいと言いました。私は同意しました。最終的にロストフで会うことに同意しました。そこがより近く、彼は余り遠くに出かけたくはなかったので。私はロストフにでかける用意ができていました。ところが彼はそこにすらゆけないことがわかりました。彼等は彼に銃を突きつけ、既に武力を行使し始めていたのです。彼等は今後どうするか全くわかっていませんでした。
私はこれを隠すつもりはありません。我々は彼がクリミアに移動するのを助け、彼はそこに数日留まりました。これはクリミアがまだウクライナの一部だった時のことです。ところが、キエフの状況は極めて急速に、暴力的に展開し、我々は何が起きたかを知っています。
一般の皆さんはご存じないかも知れませんが - 人々は殺害され、生きたまま焼き殺されたのです。連中が地域党の事務所にやってきて、技術者達を逮捕し、殺害しました。地下で焼き殺したのです。こうした状況の下では、彼がキエフに戻ることなど全く不可能でした。全員が、外務大臣達が署名した反政府派との協定のことも、我々の電話会話も忘れ去っています。
ええ、率直にお話しましょう。彼がロシアに行くのを助けてほしいと要求したので、助けました。それが全てです。
こうした展開を見て、クリミアの人々はほぼ即座に武器を手にし、彼
等が行おうとしている作業を進めるのを手伝って欲しいと依頼して来
ました。率直に申しあげましょう。我々はクリミア駐留ウクライナ部隊を封鎖する為に、我が国の軍隊を使いましたが、人々を選挙に参加させる為にではありません。それは不可能です。皆成人なのです。
お分かりでしょう。我々が一体どのように、そんなことができたでしょう? 銃をつきつけて、人々を投票所に追い込むのでしょうか?
まるでお祝いであるかの様に、人々は投票に行きました。全員がこれを知っていましたし、彼等は皆投票しました。クリミア・タタール人すらも。クリミア・タタール人は少数でしたが、全体として、投票率は高いものでした。クリミア全体としての投票率は、約96か94パーセントで、少数のクリミア・タタール人が投票しました。それでも、彼らの97パーセントは‘賛成’票を投じたのです。なぜでしょう? それを望まない人々は投票所に行かず、投票所に行った人々は‘賛成’票を投じたのです。
このことの法律面については既にお話しました。クリミア議会が開催され、住民投票を支持する結果になりました。ここでもまた、何十人もの人々が、投票するよう議会に引きずりだされたなどと言える人間がいるでしょうか? そういうことは決してなく、そういうことは不可能でした。もし投票したくない人がいれば、列車なり、飛行機、あるいは自動車で去ることが可能だったのです。
彼等全員がやってきて、住民投票に投票し、人々はロシア編入に賛成投票をしたのです。それが全てです。一体どうして、これが国際関係に影響するでしょう? 何が起きているのかはわかっています。しかし、もし我々が、いわゆる二重基準を利用することを控え、全ての人々に平等な権利があることを認めれば、何の影響もありえないでしょう。我々はこの人々の自決の権利を認めなければなりません。
このページへのリンク: http://eng.news.kremlin.ru/news/23137
ロシア語原文のリンク: http://kremlin.ru/news/46860
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