輿石参院副議長が引退へ 党幹事長など歴任 「参院民主のドン」

輿石東参院副議長(酒巻俊介撮影)
輿石東参院副議長(酒巻俊介撮影)

 民主党政権で幹事長を務めた輿石東参院副議長(79)=山梨選挙区=が、改選を迎える夏の参院選に出馬しない意向を固めたことが14日、複数の民主党関係者への取材で分かった。

 民主党の岡田克也代表は出馬を要請していたが、今年5月で80歳となる輿石氏は進退を明らかにせず、去就が注目されていた。後継者の人選に一定のめどがついたことから、不出馬を決断したとみられる。

 輿石氏は小学校教諭や山梨県教組委員長を経て、平成2年の衆院選に旧社会党から出馬し初当選。8年の衆院選に落選したが、10年に参院にくら替えし、現在3期目。参院議員会長を長く務め、「参院民主のドン」として影響力を誇示した。23~24年の野田佳彦政権では参院議員では異例となる党幹事長を務め、25年8月に副議長に就いた。

 出身母体である日教組との関係の深さでも知られ、「教育の政治的中立はあり得ない」などの発言で物議をかもしたこともあった。民主党は今回の参院選で、北沢俊美元防衛相(77)=長野選挙区=、党最高顧問の江田五月元参院議長(74)=岡山選挙区=ら改選を迎える重鎮が相次いで不出馬を決めている。

会員限定記事会員サービス詳細