特定秘密保護法の運用状況をチェックする参院情報監視審査会は22日、国会内で会合を開き、民主党が国家安全保障会議(NSC)と警察庁が2014年に指定した特定秘密のうち2件の提示を求める動議を提出した。自民、公明両党は「政府の説明で十分理解できる」と主張し、反対多数で否決した。国会の審査会で特定秘密の提示要求の動議を採決したのは初めて。

 2件の特定秘密は、NSCの「13、14両年に4大臣会合の審議を経て確認した議論の結論」と、警察庁の「14年までに警察が行った安全保障に関する外国政府との情報協力の実施状況」。民主党は「NSCの議事録の一部が特定秘密に指定されているが、範囲が適切か確認したい」などと提示を求めた。採決では民主党と維新の党の委員計3人が賛成したが、自民、公明両党の委員4人が反対した。

 審査会の金子原二郎会長(自民)は「詳細は保護措置の関係で話せない」と記者団に説明。民主党の大野元裕委員は「秘密指定に疑義がある以上、提示を要求するのは当然だ。中身についての審議すらさせない状況はおかしい」と述べた。

 参院審査会は11月の会合で、外務省などが指定した特定秘密3件の提示要求を全会一致で議決。政府は今月3日の会合で提示した。